ラプンツェルの怒り

ラプンツェルって基本的に怒りません。
ラプンツェルさんの特徴は「怒らない」です。
でもラプンツェルさんが怒りを持つことがあります。
それは自分の命よりも大切にしているものが脅かされた時です。
青い鳥は基本的に「自分の命よりも大事なもの」が存在しないので
「自分の命よりも大事なものを壊される」感覚というのが想像できません。
なので平気でそれを壊してきます^^
青い鳥が怖いのは、生命的な、肉体的な死です。
しかしラプンツェルは、あんまり死が怖くない。
ラプンツェルにとってそれは「死」ではないのです。
ラプンツェルにとって「死」とは社会的な「死」です。
それが一番、何よりも、怖いのです。
ドリゼラとアナスタシアが嫉妬に狂いシンデレラのドレスを破る名シーンがありますが、青い鳥にとっては「シンデレラ可哀想!ドリゼラ達ひどい」という怒りですが、ラプンツェルにとっては「あーあ、そのドレス、後で自分たちの財産になるのに…」と思いながらも、ドリゼラもアナスタシも発作で記憶がないので心神喪失者として無罪になり、怒りの向けどころがなくなります。
でもそういうときに、本当はラプンツェルも激しい巨大な怒りを感じる。
「このドレスを破ったということは、お前たちも共倒れだぞ」という気持ち。この巨大な怒りを抑圧してはいけないんです。それは「私憤」ではないからです。
ラプンツェルにとって自分が命よりも大切にしているのは「自分が社会で、己の能力を発揮すること」なのです。
しかし、嫉妬で頭が馬鹿になった青い鳥によってそれを「あ、ごめん、壊しちゃった」と言われた経験があるラプンツェルは「なるほど。しょうがないな。もう2度とこれを外に出すのはやめよう」
と思います。
この「大事なものはしまっておいて、青い鳥にゲロをかけられないようにしよう」という抑圧に命をかけます。
それでも「大事なものを出すか」と思うと青い鳥がやってきてそれに100%ゲロをかけてくるので「やっぱりしまっておこう」と思う。
この繰り返しから抜け出すには「怒らないといけないんです」。
「何してんねん!!!!!!!!!!!!!!」って。
そして、その青い鳥を「完全に無視」して仕事をするしかない。
自分が命よりも大事にしている「社会的な命」は、見ず知らずの人に絶たれることもありますし、親しい人に断たれることもあり、心の傷にもなり得ます。
でもそれによってラプンツェルは鍛えられていく。
不死鳥のように。
私が激しい怒りを感じた出来事を振り返ると、
・進路(進べきと直観する道)に対しての妨害
・能力(全員を救うための手段)に対しての妨害
に全ての怒りが集約されていきます。
しかし「わからないでやったんだから、怒らないでよ。」と青い鳥に言われます「そんなに大ごとじゃないでしょ?許してくれたっていいじゃん」と言われます。
なので、未熟なラプンツェルは笑顔で「そうだね(いつか殺す)」となってしまう。
でも、それは実は、私憤ではなく義憤なのです。
「自分の生命を大事にしたい」というのは私憤です。
しかしラプンツェルは「自分の生命はまぁいいか」と思えてしまう。(なので滅多に怒らないのですね。青い鳥みたいに無意識に相手を攻撃するってことはない。)
ラプンツェルが怒ることは「社会的な命」が脅かされた時。
つまり、それは「この社会がより悪くなる」ということを意味します。
青い鳥は、自分たちの暮らす社会が、自分たちの馬鹿な発作によってますます悪くなることなど想像すらできず、目の前の「私の方が偉い!」というクソ小さいプライドを守るために、それを平気で攻撃してきます。
ラプンツェルはそれをみて「こんな馬鹿な人類に対して何かしてあげる必要はないのではないか?」と思うのです(=人間不信・ニヒリズム)
ニヒリズムに陥ったラプンツェルは「どうせ無駄だ」と言いながら、破壊された豊かさの源泉を直そうともせず、天岩戸に引きこもります。
「これでよかったんだ…」とラプンツェルは自分に言い聞かせます。
でも、それなら、怒った方がよかった。
全員ハッピーのためには。
「はい!全員不幸!」
だったら、怒った方がいいんですよね。「お前、まじで何やってくれてんの?」という怒りに支配された方がいいのです。抑圧するからニヒリズムの奴隷になるのです。
怒って、でも相手には改善を求めないので「無視して」進む。
何があっても諦めないでいれば夢は叶う。
(ラプンツェルの場合はね。青い鳥は諦めれば夢は叶う。)
ラプンツェルは社会起業家です。
ラプンツェルは自分が助けたい共同体に攻撃されます。
例えば、今にも潰れそうな自治体があったとして、このままだと全員が外国人の奴隷になるしかないような危機的な状況だったとします。
ラプンツェルはそうなったら、全員が誇りを失い、祖国を失い、文化を失うことがわかっています。
そして自分の「やりたいこと」でそれを救うことができると計算できている。
さあ、いざそれをやろうとします。
ラプンツェルを真っ先に攻撃するのは、その自治体のメンバーです。
彼らは、自分が、何をやっているかわからないのです。
ただ、嫉妬や、恐怖や、プライドを守るために、無自覚で「そんなことはもうやったけど無駄だった」とか「今何が起きてるのかわかるように説明してくれ」とか「そんなことで変わるようなことではない」とか「頼むから何もしないでくれ」とか言ってきます。
まじで。
彼らは何を失うことになるかがわからないからです。
その時にラプンツェルがとるべき対応
× 発作を起こした住人を消す
× 住人たちが発作を起こさなくなるのを待つ
× なんとか説明をしてわかってもらおうとする
× こんな馬鹿どもを救う意味はないので諦める
○怒りを全身で感じながら無視してやる
それで、一人で一生懸命それをやっていると、後ろからさっき自分にゲロをかけた青い鳥が「なんか楽しそうだから混ぜてよ!水臭いなぁ」と言ってきます。
そこで、あなたは
ニヤッと笑って
「いいよ」と言うんです。
青い鳥は手伝ってくれて、あなたは「やりたいこと」がますます大きな規模でできるようになります。
そしたら、あなたはあんなに憎かったはずの、
殺したかったはずの青い鳥を
「愛していた」と気づくのです。
彼らをどうしようもなく愛していたから、
あんなに悔しかったのだ、あんなに憎かったのだと気づきます。
彼らを愛しているから、あんなにも「これをやりたいと感じるのだ」と気づきます。
怒りの大きさは、そのまま、愛の、巨大さだったと気づきます。
その巨大な怒りを抑圧してはいけない。
それは、その巨大な愛を抑圧すると言うことなのだ。
ラプンツェルの怒りは、愛です。
こうして強者と弱者は力を合わせ
ますます繁栄し、力強く、民族を高みに昇らせていく。
全員が豊かになり、全員が充実を感を感じて生きる国。
全員が、幸せそうな緩んだ笑顔で楽しく遊ぶ、神の王国の実現です。
いいですか?
それが「勝ち」です。
はい、全員ハッピー。

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