まわる世代の輪

cloth with artistic design

こんにちは、みくです。

今回の引越しにあたって判明したことなのですが、今住んでいるマンションのお向かいのおばあちゃんが半年前に亡くなっていたらしい。私にとっては名前も知らないおばあちゃんだが、大家さんの親族らしくゴミ捨て場を共有しており、いつもゴミ捨てを見張っているシャッキリしたおばあちゃんだった。

何より、私は部屋の目の前からそのおばあちゃんの南向きの庭を眺められるのだが、本当に立派で見事なお庭だった。

亡くなってからも誰かが手入れをしていたのか、庭が見事なままだったから、亡くなったなんて夢にも思わなかった。

ただ、そのおばあちゃんは野良猫を嫌っていたが、最近よく野良猫がその庭で日向ぼっこをしていて、その光景を眺めてはほのぼの和んでいたが、あの猫たちは家主不在だったからあんなにのんびりしていられたのかなぁ。

立派な一戸建てと立派なお庭に一人で住んでいたおばあちゃん。6月からは建物の取り壊しが始まるらしい。

そこには今後、立派な賃貸のテラスハウスが立つ予定なんだって。

私はあのお庭が解体されてしまうのを見なきゃいけないのか〜と思うと辛い。まさかテラスハウスの庭として残されるわけもないだろうな。

こうして今日本中で立派な庭付きの家に住む老人が死んでいき庭も同時に死んでいっているのだなぁ〜と思うとなんだかすごい。

そもそも他人事じゃなくて私の実家にはとても立派な日本庭園があったのだ。しかし今は跡形もなく、Googleマップで見るとアスファルトで埋め立てられて病院とその駐車場になっている。

牡牛座の祖父は、その庭に出て、来る日も来る日も草むしりに励んでいたが、いつも本当に頑丈そうで元気だった。

それが、文明的生活を好む娘(つまり私の母親)に連れられてアスファルトジャングルの都会の狭い家に移住した途端、頑張って毎日散歩をしていたが、どんどん足腰が弱くなって、しっかり歩けなくなっていった。

加齢のせいもあるだろうが。しかし本当に、パッと運命の糸が切れたように、足腰が弱り、耳が遠くなり、老化が進んだ感じがする。戦争でシベリアまで行って生き残って結婚して子供を産んで、その子供に家をあっさり手放され、あっさり老人ホームに入れられてしまって哀れだなぁ。

そんな日本中のお年寄りのヒストリーが今ものすごい数、繰り広げられているんだろう。

少子高齢化ってすごいことだ。

祖父がそんな目にあったのは祖父の時代、つまり戦後復興の中で、何か大切なものを見落として(見落とさせられて)きた全体としての因果だろうと思う。

そしてその子の世代は学校で戦後の教育を受けて、自分の手では何も作り出せなくなり。

そしてその子どもたちは、もはや子どもでいることが許されない世界に育った。

みんな、同じようには生きてはいけない。

負った傷も、生き残る方法も、まるで違うのだ。

自分の世代の生き方は、時代の輪で決める。

どうせなら、因果をこれ以上増やすより、因果を回収して生きていく方がいい。

3代かけて築き上げてしまった負の因果はなんだろう?

そう思った時に、私は、金でもなく、出世でもなく、生態系なのじゃないかという予感がしている。

自然の生態系。

それは、家族がいる人にとっては、家族とも言えるかもしれない。地域かもしれない。植物や動物や虫なのかもしれない。とにかく「生態系」を破壊してしまった。

老人が死んで、もはや金もないが、土地も庭も田畑もどんどん余っていく。これは生態系を取り戻すチャンスになるのではないかと思う。

先日「もはや誰のものでもない土地」の問題を見かけた。

バブルの時に宅地として開発したが、開発した会社すら今は存在せず、名義人はその会社のままで、区画だけが誰ものものでもなく残っている場所がたくさんあるらしい。

それから5080問題を最近よく見る。引きこもりのまま親が80歳になって、自分は50歳になってしまった人が、61 万3,000人いるんだって。

思うのだけど、その人たち、一次産業に適性があるんじゃないかな?

しかし国家の政策もあってか農家の家などで学歴がある子供がいれば勤め人になれ、と思うものらしい。そのまま社会適応できなくて引きこもってしまったのでは?

いろんなニュースを見てると、いい感じにいろんな問題が大爆発寸前で、私はとってもいい傾向だなぁと思うのです。

そうでもしないと、ここまで回してきた「生態系に反する回転」を逆回転に回すエネルギーが出ないと思うから。

でも時代は確実にそっちに流れてて、敏感な人はその回転に巻き込まれていく。

生態系の中へ。

そこは自我が通用しない闇の世界。でも人間が本来いた世界。

あーやっと、近代の悪夢から、逃れられる時代が来るんだ。それは受け身では手に入らないけど、身を乗り出した途端に乗れる上昇気流のようなもの。

それが時代の流れというもの。

世代の輪は、小さな私の自我を超えて大きく回っていく。


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