こんにちは、みくです。
私は夢の中で渋谷にいました。
とても大切な友達と、楽しく遊んでいたんだけれども、その友達が些細なことでキレてしまい、私を置いて行ってしまったの。
私は「私のお財布とケータイ、彼女が持ってる」って思い出して、呼び止めようとしたんだけど、渋谷の街はあまりに人が多くて、うるさくて、私の声は届かなかった。
私はあ〜あ、と途方に暮れた。
と言っても、私はこれが夢だと知っていたので、怖がったりはしていなかった。そして私は夢の中でも、全ての人が心に突き動かされていることをわかっていたので、焦ったりはしなかった。
彼女は少し冷静になったら、私のお財布とケータイを持っていることを思い出して、焦るだろう。そして私を探し始めるだろう。
私は彼女が探しそうな場所を二つくらい絞り、そのうち人が比較的少ない場所を待ち合わせ場所にして、しばらく待とうと思った。
それはトーキューというところの入り口だった。
私はそこに手ぶらでぼんやりと立ち、渋谷の往来を眺めていた。
ふと「こちらで良かったのかしら?」という思考が浮かび、
もう一つの人が多い方の待ち合わせ場所に行くべきかどうかの思考を始めた時、
ちょうど、中年男性が人混みをなんとか抜け出して、こちらへ避難してきた。
中東かインドあたりの、浅黒い肌をした外国人の中年男性だ。
なぜか、空のスーパーのかごを両手で抱えている。
私と目が合うと、お互い「やれやれ」という感じで肩をすくめた。
彼は、私の隣に立って雑踏を眺めながら、冗談めかして言った。
「ココハ、人ガ多クテ、大変ダネ。」
外国人にとって、この渋谷の人混みは大変だろうなぁと思いながら、
私は真顔で、自分でも驚くほど、落ち着いた冷静な声で、
「そうだね。」
と答えた。
やはり待ち合わせ場所は人が多い方のポイントに行くべき、と心が動いた。
ただそちらは駅のど真ん中の方で、かなり人がすごくて、思わず躊躇してしまう。
その中年男性も私も「人混みに入りたくないな〜」みたいな感じでその方向を眺めていた。
でも私は、心の命ずるままに、覚悟を決めて歩き出した。
それを見た彼は、ちょっと驚いたような顔を作ってから、また冗談めかしたフレンドリーな調子で、私の背中に声をかけた。
「私ノ、カワリニ、行ッテキテクダサイ!」
私は背中に彼の声を聞きながら人混みの中をまっすぐに歩いて行った。
振り返らずに、真顔で、冷静な声で「わかった。」と呟いた。
目が覚めると、もちろん、私はまだ夢の中にいた。
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